受精卵の分割と卵の質
The cleavage of a fertilized egg

分割卵である受精後3日目の胚で見てみましょう。

受精後に分割する様子

ARTを行うとよくわかりますが、妊娠までいくケースの大半が受精卵(胚)の質がいいものだという事実があります。この胚の良し悪しの原因が、もともとの卵の質であると考えるからです。体外受精や顕微授精を受けた場合、卵管の中での受精、分割という部分を体外で行います。受精後、分割する様子が観察できます。その分割卵である受精後3日目の胚を見てみましょう。

G1 G2 G3 G4 G5

このように、G1~G5までの胚の質のランクがあります。妊娠につながっているのは、圧倒的にG1、G2以上の胚を戻した場合です。G3以下ではなかなか妊娠に至りません。G4やG5をいかにしてG1、G2にするかというところに不妊治療の専門家の腕がかかっていると考えます。妊娠はタイミングではないといいました。
それはどんなにタイミングが合っていても、胚の質がG3以下では着床する力が弱いからだと考えます。人工授精399人の妊娠例で、単にタイミングを合わせただけでは81例と約2割で、約8割は女性に治療を加えて排卵の質を良くしたケースでした。つまり、排卵の質を良くすれば、タイミングを合わせただけより、妊娠の可能性は4倍になるともいえると考えます。

女性は生理が始まると卵巣の中で卵が育ち始めます。卵は、目に見えない大きさですが、卵が入っている袋(卵胞)は超音波検査で確認できます。この肺胞が18mm以上になると成熟した卵だとみなします。通常は2週間ぐらいで育ちます。やがて卵胞が破れて、中身の卵と卵胞液が出てきます。これが排卵です。排卵後、卵は卵管に取り込まれ、ここで精子と出会い、受精がおこり、分割しながらゆっくりと卵管を運ばれます。そして、子宮にたどり着き、ここで着床します。着床=妊娠です。
一方卵巣には排卵後の空になった袋が残されますが、この袋の中に黄体というものができて、ここから黄体ホルモンが分泌されます。このホルモンが着床を助け、高温相を作るホルモンなのです。
基礎体温の高温相がきれいになったのは、しっかりしたいい黄体ができたからと考えられ、それは黄体の前段階の卵が良かった結果だと考えます。卵が育った袋と黄体ができた袋は同じ袋だからです。