妊娠を左右する「卵の質」
Infertility Treatment

当院では、妊娠するために最も大事なことは「卵の質」だと考え、そのための治療を行います。

卵への強いこだわり

当院では、妊娠を左右する最も大きな要因は、女性の「卵の質」だと考えています。
質のよい卵が育って受精すると、質のよい受精卵となり妊娠しやすくなりますが、質のよくない卵では妊娠に至らず、また妊娠しても流産になりやすいと考えます。

排卵に合わせて夫婦生活(セックス)を持つタイミングも大事です。しかし、卵の質がよくなければ、たとえセックスの回数が多く、タイミングがとれていても、妊娠には至りにくいのです。 逆にいえば、卵の質がよければ、セックスの回数が少なかったり多少タイミングがずれていても、十分妊娠が可能と考えます。

体外受精でできる胚(受精卵)のグレードには、最も良好なG1から、最もよくないG5まであります。当院の妊娠例を調べたところ、ほとんどがG1かG2の胚を子宮に戻していました。 つまり、胚のグレードでいえば、妊娠しにくいG3以下の卵を、最も良好な状態のG1に、いかに近づけていくかが治療のカギとなるのです。

また、男性側の要因として、精子の数が少ない、精子の運動率が悪いといったマイナス要素がある場合は、その度合いによって人工授精や顕微授精を行うことで対応できます。

まずは、質のよい卵を育てることが妊娠への近道です。

卵の質を確認する方法

卵の質を確認するには、通常は体外受精によってできた胚(受精卵)で判断します。
胚は、最もよい状態(G1)から最もよくない状態(G5)まで、5段階のグレードで判定します。G1の胚は、形が整っていて、一定の時間で細胞が均等に分割し、フラグメントと呼ばれる小さな粒(細胞の断片)が少ない卵です。

体外受精をするメリットとして、精子と卵子がちゃんと受精するかどうか、また受精卵の状態を確認できることがあります。
しかし、そこまでの治療をする前に、できれば妊娠したいと誰もが願うことでしょう。実は、基礎体温表である程度、卵の質を予測することが可能です。

卵の質を改善するために

グレードのよい受精卵をつくるためには、よい卵を育てることが必要です。 これまで当院で妊娠した3000人以上の基礎体温表のデータから導き出した、妊娠しやすいパターンをもとに治療を行います。

[妊娠した人の基礎体温表のパターン]

  • (1) 排卵日の頃は、2~3日で一気に37℃近くに体温が上昇する。
  • (2) 高温相が安定し、37℃前後の体温を保っている。
  • (3) 高温相が14日以上続いている。

また、1年間に妊娠した426人の排卵を調べた結果、その多くが月経開始から13~16日目に排卵していました。

つまり、これらに近づけることが妊娠への道しるべといえます。

卵の質をよくするためには、排卵誘発剤を用います。

排卵誘発剤には、飲み薬と注射があります。
飲み薬は、クロミッドと呼ばれる錠剤で、効きめがソフトです。注射はHMGと呼ばれるもので効きめが強く、副作用としては卵巣が腫れたり、多胎妊娠になることがあります。

まずは、飲み薬を1日1錠から始め、効果がなければ、徐々に量を増やしていきます。
それでも効果がないときには、HMGの注射を追加して、卵を育てます。妊娠しない場合には、注射を数日おきに投与したり、場合によっては毎日投与することもあります。
薬の量を小刻みに調整することで、副作用を防ぎ、治療の効果を高めていきます。

効果がなければ同じ治療は繰り返さない

効きめがマイルドな排卵誘発剤からスタートして、様子を見ながら徐々に薬の量や注射の回数を増やしていきますが、基本的に同じ治療は繰り返しません。
その治療で妊娠しなかったのは、卵がよい状態ではなかったと考え、次回は治療の内容を変えていきます。また、同じ治療を繰り返すと体が薬に慣れてしまい、やがて反応が鈍くなりかえって妊娠への時間をロスしてしまうからです。

とはいえ、患者さん全員が同じペースで治療をするわけではありません。ご夫婦の年齢や卵巣機能の状態、これまでの妊娠の有無などを考慮して、それぞれの方に応じた治療を提案します。

その方に合った治療(薬の量など)のときに妊娠につながることが多いのですが、最初はどのレベルの治療が有効かはわかりません。そのため慎重に薬の量を加減します。
また、1人目の子どもを治療によって妊娠・出産された方の場合、2人目は前回妊娠した治療方法からスタートします。同じ治療で妊娠される方が多く、効率よく治療ができるのです。